FMC東京 院長室

                                                                  遺伝カウンセリングと胎児検査・診断に特化したクリニック『FMC東京クリニック』の院長が、出生前検査・診断と妊婦/胎児の診療に関する話題に関連して、日々思うことを綴ります。詳しい診療内容については、クリニックのホームページをご覧ください。

薬は、“お守り”とはまったく違うものです。

お正月に初詣に行かれて、安産のお守りなど購入された方もおられることと思います。 お守りといえば、最近、流産予防のためという名目で、「お守りがわりに」と言われて薬を処方され、服用し続けている妊婦さんが増えてきているような気がして、すごく気にな…

胎児の“むくみ”(あるいは、NT)について (1)

新年あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 さて、昨年末から新年にかけて、あいかわらず問い合わせで多いのが、「胎児がむくんんでいると指摘された。」という件です。この件については、わが国の妊婦診療の現場においては、…

日本産科婦人科遺伝診療学会に参加して--日本の医療は前に進めるのか?

京都で行われていた第2回日本産科婦人科遺伝診療学会に参加しました。 『産婦人科診療のゲノム個別化を展望する。』という非常に前向きなテーマで、ここ数年で大きく進んだ診断・検査技術を用いて、医療は今後どのように変化していくのかを展望するといった…

NIPTだけを厳しい指針で規制することによって何が起きているのか? (2)

前回の続きです。 羊水検査(羊水穿刺)の実施について、日本産科婦人科学会の『見解』内の以下の記載 (3)絨毛採取や,羊水穿刺など侵襲的な検査(胎児検体を用いた検査を含む)については,表1の各号のいずれかに該当する場合の妊娠について,夫婦ないしカ…

無認定で新型出生前診断=医師3人を懲戒処分―産婦人科学会

別の記事を書きかけていたのですが、以下のニュースが入ってきました。このことについて一言述べておかなければならないでしょうね。 無認定で新型出生前診断=医師3人を懲戒処分―産婦人科学会 (時事通信) - Yahoo!ニュース > 新型出生前診断は臨床試験と…

NIPTだけを厳しい指針で規制することによって何が起きているのか? (1)

これまで何度か、日本医学会ほかが提示している指針に違反してNIPTを行っている施設の話題や、なぜ当院ではこの検査を行うことができないのか、指針とはどのようなものなのかなどについて、記載してきました。NIPTを行うための指針とは?(2016年10月25日)…

ほんとうにたくさんの症候群があるんです。

当院で遺伝カウンセリングや検査の説明をおうけになる方々とお話しする中で、胎児の検査でみつかるものというと、ダウン症候群のことだけが頭にある方がある一定数おられることがわかりました。ご親戚やお知り合いに、詳細はわからないけれども少し発達の遅…