FMC東京 院長室

                                                                  遺伝カウンセリングと胎児検査・診断に特化したクリニック『FMC東京クリニック』の院長が、出生前検査・診断と妊婦/胎児の診療に関する話題に関連して、日々思うことを綴ります。詳しい診療内容については、クリニックのホームページをご覧ください。

超音波検査の結果だけで中絶してはいけないのか(医師の説明に食い違いがあるとき)

出生前検査・診断に集中して診療を続けていると、毎日のようにいろいろな経験をして、本当に勉強になります。日々、技術と知識がアップデートされていく実感があります。と同時に、わが国の一般的な産科診療とのギャップを感じることが多くなってきました。…

全染色体は大丈夫?「ビショウケツ」の検査も受けた? - 非認定NIPT提供施設で全染色体の異数性や微細欠失症候群を扱っていることの問題点 その2

前回の続きです。 いわゆる『非認定施設』でNIPTを受けてきた方に、「どのレベルまでの検査をお受けになりましたか?」と伺ったところ、「“ビショウケツ”までやりました。」という方が、複数おられたのです。 「ビショウケツ?」 一人だけならその方が間違っ…

全染色体は大丈夫?「ビショウケツ」の検査も受けた? - 非認定NIPT提供施設で全染色体の異数性や微細欠失症候群を扱っていることの問題点 その1

私たち出生前検査専門施設がNIPTを扱うことができない状況が続いている現状の中、最近、学会認定を受けずにNIPT(“新型出生前検査”)を行なっている施設がどんどん増加してきています。美容外科グループが全国展開で検査を推進していますが、受検した方が検…

緊急シンポジウム みんなで話そう 新型出生前診断はだれのため? に参加して

2019年8月11日に、東京・両国の江戸東京博物館会議室で開かれた、「緊急シンポジウム みんなで話そう 新型出生前診断はだれのため?」に参加しました。 主催:8/11「新型出生前診断はだれのため?」東京集会実行委員会 共催:グループ生殖医療と差別、DPI女…

ニュージーランド政府が中絶に関する画期的な法案を提出

BBCニュースの8月5日付記事で、ニュージーランド政府が中絶に関する法律を変更する法案を提出したニュースが配信されていました。 www.bbc.com ニュージーランド政府は、妊娠中絶を合法化(解禁)し、妊娠20週より前までは女性が自ら中絶を選択できるよう提…

NHKハートネットTV『シリーズ 出生前検査』を見て 私の視点(2)

ようやく第2回を見ることができました。 7月9日に放送された、「シリーズ出生前検査(2)『それぞれの選択を、支えるために』 」です。 この放送におけるテーマは、3つの局面のうちの 3. 検査の結果を受けて、産む/産まない の部分で、 この選択に関わるい…

国が実態調査をするそうです。何の実態をどのように調査するのか、気になりつつ悶々とする夏の日。

梅雨が明けて猛暑の夏がやってきました。 そういえば昨年、「母体血を用いた出生前遺伝学的検査」施設認定・登録部会宛に登録申請を提出したのはこの季節だったと思い出し、確認したところ、私たちの施設からは7月20日づけで申請書を送付していました。もう1…