FMC東京 院長室

                                                                  遺伝カウンセリングと胎児検査・診断に特化したクリニック『FMC東京クリニック』の院長が、出生前検査・診断と妊婦/胎児の診療に関する話題に関連して、日々思うことを綴ります。詳しい診療内容については、クリニックのホームページをご覧ください。

私はいつまでガマンを続けるべきなのか。そろそろキレてもいいですか?

世の中、新型コロナの話題で持ちきりで、厚生労働省もこれにテンテコ舞いなことと思いますが、NIPT方面はどうなってるんでしょうかねえ。 まあ調査が行われているようなんですが、これがどれほど有効なものなのか、結局どういう結論に持っていきたいのか、大…

「無脳症」のわが子を宿して ー 今ここにある出生前診断

先日、宮城県立こども病院産科科長/東北大学大学院医学研究科教授併任の室月淳医師が、この度上梓された、『出生前診断の現場から 専門医が考える「命の選択」』(集英社新書)が、届きました。 彼は、常日頃から連絡を取り合って、情報交換したり議論を交…

1月18日読売新聞夕刊 『変わる早産対策』 この国独自の産科医療は変われるのか?

読売新聞夕刊で、早産予防治療についての話題が取り上げられていました。これまでこのような話題が全国紙レベルで載ることはなかったので、現状を変えるきっかけになるという期待感を持つ医師もおり、攻めた記事だと評価されています。 日本で行われている『…

ブログ読者の方から届いた一冊の短編小説

作家と編集者とデザイナーがチームを組んで、2日間で短編小説作品を仕上げ、その出来を競うNovel Jamというイベントで、最優秀作品賞を受賞された紀野しずくさんが、受賞作品を届けてくださいました。 『ふれる』という作品です。流産を複数回経験されたのち…

日本の産婦人科のツートップが、私と同じ見解であることがわかりました。

昨年会員になった、日本産婦人科医会から、新年最初の会報(2020年1月号)が届きました。(私は以前は長いこと会員だったのですが、ある時ふと疑問を感じて退会していました。しかし、開業医となった今、加入しておくことの必要性もあるかもしれないと思い、…

【全文公開】「母体血を用いた出生前遺伝学的検査」施設認定・登録部会宛に返答を送付しました。

あけましておめでとうございます。 昨年のクリスマスイブに届いた文書(以下の記事参照)に対し、返答および疑問点を記した文書を、日本医学会「遺伝子・健康・社会」検討委員会「母体血を用いた出生前遺伝学的検査」施設認定・登録部会 部会長 久具宏司様宛…

あらためて考える。出生前検査・診断は不安ビジネスなのか。

年末も押し迫ってまいりました。クリニックは27日が仕事納めで、夜には忘年会を行いました。この年末はこの一年のことやこれまでの歩みなどを振り返り、来年に向けての考えを新たにするよい機会になります。 とはいえ、年末に「母体血を用いた出生前遺伝学的…