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FMC東京 院長室

FMC東京クリニック 院長のブログです

18トリソミーに関連した議論に感じる違和感(2)

(つづく)と記した前回の記事から2カ月が経ってしまいました。ブログ更新が滞っていたことには、特別な事情があるわけではありません。ただ単に仕事に追われていたのですが、GWでリフレッシュして、また頭を整理し始めています。 さて、前回の続きです。 18…

18トリソミーに関連した議論に感じる違和感(1)

周産期学シンポジウム『周産期医療における「遺伝」を考える』から、1カ月が経ちました。この時に考えたことをもう少し整理しておかなければならないと思っていたのですが、この間、胎児心臓病学会などもあって、少し時間を要してしまいました。 周産期学シ…

胎児の“むくみ”(あるいは、NT)について (2)

3月に入ってからもまだまだ寒い日が続いていますが、少しづつ日差しは春らしくなってきているような気がします。 さて、新年早々に、NTについての記事を公開しました 胎児の“むくみ”(あるいは、NT)について (1) - FMC東京 院長室 が、あいかわらず、“むく…

18トリソミーは、あまり知られていない?

18トリソミーという染色体異常について、一般にはどのくらい知られているものなのでしょうか。私は、もっと知られていると勘違いしていました。 長年にわたり、胎児診断の世界に身を置いていたために、私たちの感覚と一般の人たちの感覚に大きな違いがあると…

なぜ、出生前検査に、罪悪感が伴うのか?

当院に来院される方々の中に、出生前検査を受けることについて、後ろめたい感情をお持ちの方が少なからずおられます。曰く、「主治医には黙っていてほしい。」「親には内緒で来た。」「検査を受けることを、まわりの人には言えない。」などです。なぜ、出生…

NIPTだけを厳しい指針で規制することによって何が起きているのか? (3) - 遺伝カウンセリングは免罪符なのか

先日、施設認定を受けずにNIPT検査をおこなっている検査会社と医療機関についての記事を書きました。 施設認定を受けずにNIPTを実施している施設 今はどうなっている? - FMC東京 院長室 このところ、ここで検査を受けた、あるいは受けるという方が当院にも…

周産期学シンポジウム 第35回 周産期医療における「遺伝」を考える

2017年2月10日〜11日にかけて、大阪で行われた、日本周産期・新生児医学会 第35回周産期学シンポジウム(光田信明会長)《周産期医療における「遺伝」を考える》に参加しました。私は、11日午後の部、「遺伝的出生前診断を考える」において、発表及びディス…

施設認定を受けずにNIPTを実施している施設 今はどうなっている?

昨年末に、無認定でNIPTをおこなっている医師を処分するというニュースがありました。 無認定で新型出生前診断=医師3人を懲戒処分―産婦人科学会 この3人の医師のうち2人は、学会からの勧告を受けて、今後検査を行わないと誓約したが、1名は誓約しなかったと…

薬は、“お守り”とはまったく違うものです。

お正月に初詣に行かれて、安産のお守りなど購入された方もおられることと思います。 お守りといえば、最近、流産予防のためという名目で、「お守りがわりに」と言われて薬を処方され、服用し続けている妊婦さんが増えてきているような気がして、すごく気にな…

胎児の“むくみ”(あるいは、NT)について (1)

新年あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 さて、昨年末から新年にかけて、あいかわらず問い合わせで多いのが、「胎児がむくんんでいると指摘された。」という件です。この件については、わが国の妊婦診療の現場においては、…

日本産科婦人科遺伝診療学会に参加して--日本の医療は前に進めるのか?

京都で行われていた第2回日本産科婦人科遺伝診療学会に参加しました。 『産婦人科診療のゲノム個別化を展望する。』という非常に前向きなテーマで、ここ数年で大きく進んだ診断・検査技術を用いて、医療は今後どのように変化していくのかを展望するといった…

NIPTだけを厳しい指針で規制することによって何が起きているのか? (2)

前回の続きです。 羊水検査(羊水穿刺)の実施について、日本産科婦人科学会の『見解』内の以下の記載 (3)絨毛採取や,羊水穿刺など侵襲的な検査(胎児検体を用いた検査を含む)については,表1の各号のいずれかに該当する場合の妊娠について,夫婦ないしカ…

無認定で新型出生前診断=医師3人を懲戒処分―産婦人科学会

別の記事を書きかけていたのですが、以下のニュースが入ってきました。このことについて一言述べておかなければならないでしょうね。 無認定で新型出生前診断=医師3人を懲戒処分―産婦人科学会 (時事通信) - Yahoo!ニュース > 新型出生前診断は臨床試験と…

NIPTだけを厳しい指針で規制することによって何が起きているのか? (1)

これまで何度か、日本医学会ほかが提示している指針に違反してNIPTを行っている施設の話題や、なぜ当院ではこの検査を行うことができないのか、指針とはどのようなものなのかなどについて、記載してきました。NIPTを行うための指針とは?(2016年10月25日)…

ほんとうにたくさんの症候群があるんです。

当院で遺伝カウンセリングや検査の説明をおうけになる方々とお話しする中で、胎児の検査でみつかるものというと、ダウン症候群のことだけが頭にある方がある一定数おられることがわかりました。ご親戚やお知り合いに、詳細はわからないけれども少し発達の遅…

「『母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査』についての共同声明」について(2016年11月25日)

平成28年11月2日、日本医師会、日本医学会、日本産科婦人科学会その他が、『「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」についての共同声明』を発表しました。http://www.jspnm.com/topics/data/topics20161114.pdf これは、この検査に関する日本産科婦人科…

出生前診断についての誤解(2016年11月17日)

当院で妊娠中期の超音波検査を受けることを検討しておられる方や、すでに予約されている方が、ご本人でお考えになって、あるいは周りの人から言われて検査を受けないことを選択される、あるいは予約をキャンセルされるときに、「何か問題が見つかっても、も…

胎児はまだまだ発達途上(2016年10月31日)

当院では、妊娠11週から13週に胎児の超音波検査をおこなっていますが、この時期にはすでに胎児の体の大まかな形は出来上がっていて、人の形になっています。診察室のモニタで画像をご覧になった妊婦さんやご家族は、人の形で動き回っているのを見ると、すっ…

NIPTを行うための指針とは?(2016年10月25日)

日本医学会などの指針に反して、新型出生前検査(NIPT)を行っている施設が現れたと言う報道が出てきています。当院受診を検討しておられる方々は特に関心をお持ちの話題ではないかと思われます。しかし、多くの方々は、一体どのような指針に基づいてこの検…

超音波では何がどう見えているのか?(2016年10月8日)

私たちは、胎児の観察の時に、できるだけリアルタイムでわかっていただけるよう、解説を加えながら超音波検査をおこなっています。そのときによく、以下のようなことを聞かれます。 医師「これは胎児の頭の部分を見ているんですよ」受診者またはご家族「これ…

胎児ドックについて3(2016年8月2日)

「胎児ドック」の名称で行われている検査は、ほぼ全てが超音波診断装置を用いた胎児の観察です。そして、どの時期に、胎児のどの部分について、どこまで細かく観察するか、ということについては、これを行う施設によって違いがあります。一定の基準に基づい…

胎児ドックについて2(2016年7月31日)

「胎児ドック」というのは、どのような診療を指しているのでしょうか。多くは、超音波診断装置を使って、普段の妊婦健診のときよりも時間をかけて、胎児を詳しく見るというものを、こう呼んでいるようです。わが国の妊婦健診は、毎回超音波を使用している施…

胎児ドックについて1(2016年7月30日)

以前から何度かお伝えしていることですが、当院では「胎児ドック」という名称での検査は行っておりません。しかし、多くの方が問診票の受診目的に、「胎児ドックを受けたい」と記載されます。このことから、「胎児ドック」という言葉がかなり浸透しているこ…

3D / 4D 超音波について(2016年3月8日)

多くの方が、3D/4D超音波を用いたほうが、一般診療の場で使用されることの多い2D超音波による観察よりも、より詳しく観察することができているとお考えになっているようです。しかし、それはちょっと違います。このポストでは、この誤解について述べたいと思…

公開シンポジウム NIPT現状と今後 2015年11月23日

2015年11月25日の記事 公開シンポジウム出席後の感想です。 一昨日おこなわれた公開シンポジウムに、中村・田村の2名が出席しました。このシンポジウムの中心テーマとなっているNIPTは、残念なことに当院では行うことができません。しかし、当院の遺伝カウン…

超音波検査は、正常・異常を判別しているのか?(2015年8月26日)

まずは、これまでにFacebookページ上で書きためてきたコラムなどをこちらに再掲していきたいと思います。はじめは、昨年8月26日(開院して2週頃)の記事です。 超音波検査をうけて、何かを指摘された場合、それが異常を見つけたことになるのかについての誤解…

院長室ブログを開設しました。

FMC東京クリニックは、遺伝カウンセリングと胎児検査・診断を中心とした診療をおこなう専門施設です。他の多くのクリニックが、一般産婦人科診療の傍で出生前検査・診断を行っているのとは違い、当院は遺伝カウンセリング・検査・診断のみに特化した施設です…