FMC東京 院長室

                                                                  遺伝カウンセリングと胎児検査・診断に特化したクリニック『FMC東京クリニック』の院長が、出生前検査・診断と妊婦/胎児の診療に関する話題に関連して、日々思うことを綴ります。詳しい診療内容については、クリニックのホームページをご覧ください。

妊娠管理

産婦人科のお医者さんは、もっと自信を持って堂々と診療してほしい。後編

妊婦健診を担当しているお医者さんたちが、外部の医療機関で同時に受けている検査や治療について、意外に無批判に許容しているということがわかってきました。これは特に行われている治療が独自のものである場合、また一見研究成果に基づいていると思える場…

産婦人科のお医者さんは、もっと自信を持って堂々と診療してほしい。前編

2017年の年末も押し詰まってまいりました。クリニックは昨日28日をもって本年の診療を終了し、昨夜は忘年会を執り行いました。年末年始、少し時間的余裕もできるので、ブログの更新も進めていきたいと思っています。 当院は、遺伝相談や遺伝学的検査と画像診…

不便を強いられる妊婦さんのケースから、日本の現状について考えてみる。

当院には、いろいろな相談や問い合わせが来るのですが、先日以下のようなケースがありました。 ・かかりつけのクリニックで双胎妊娠(ふたご)であることがわかる。 ↓ ・ここでは管理が難しいと、少し大きい病院(総合病院)を紹介され、受診。 ↓ ・そこでも…

不育症患者が増えている!? ーーつづき3

『副作用の心配が少ないなら、気休めの医療でも何もしないよりいい。』という考えで薬剤を投与することは良くないと、前回書きました。日本ではこのような医療が多いのではないかと思うのです。特に、薬が何かを解決してくれるという気持ちの方は多く、それ…

不育症患者が増えている!? ーーつづき2

当院に来院された、アスピリン投与やヘパリン・アスピリン併用療法を受けておられた妊婦さんで、以下のような方々がおられました。 1. 初めての妊娠だったが、かかっていた不妊症治療専門のクリニックで、各種凝固系の検査を受け、ちょっと気になる検査デー…

不育症患者が増えている!? ーーつづき

前回、不育症が疑われた人たちが受けているアスピリンやヘパリンを用いた治療について、その多くの人たちにおいてはこの治療は効果的ではないか、あるいは必要ないと書きました。その理由について述べます。 習慣流産の方に対する治療として、アスピリン投与…

不育症患者が増えている!?

私のクリニックには、普段は別の施設で妊婦健診を受けておられる妊婦さんが来院されます。普段通院しておられる施設には、様々な病院・クリニックがありますが、妊婦さんの管理方針についても施設ごとに違いがあることを感じています。そんな中、最近とみに…

『切迫流産』は、『保険病名』で、そのほとんどは流産とは関係がない??

今でも切迫流産という病名がつけられている妊婦さんはかなりたくさんおられるようです。『切迫流産』と言われると、流産が切迫しているとお感じになるかもしれません。『切迫流産』でネット検索すると、ほとんどのページで、『流産の一歩手前の状態』という…

切迫流産で自宅安静って、どのぐらいの行動なら大丈夫なの?

当院では、妊娠初期(正確には日本における妊娠初期の定義と、海外における妊娠第1三半期の定義が少し違っていて、当院で行なっている検査は第1三半期の検査ということになるのですが、ここでは初期という呼び方で統一します)の検査を主な業務にしています…

羊水検査・絨毛検査はどのくらい危険なのか?

当院を受診される方の中に、一定の割合で羊水検査などのいわゆる侵襲的検査について、強い抵抗感をお持ちの方がおられます。その理由の主なものは、流産の危険性や胎児に針が刺さることで問題が起こるのではないかということを懸念されてのことのようです。…