FMC東京 院長室

                                                                  遺伝カウンセリングと胎児検査・診断に特化したクリニック『FMC東京クリニック』の院長が、出生前検査・診断と妊婦/胎児の診療に関する話題に関連して、日々思うことを綴ります。詳しい診療内容については、クリニックのホームページをご覧ください。

検査を行わないという選択。患者の希望は、医師の説明に左右され過ぎていないだろうか。

前記事でとり上げた日本超音波医学会第93回学術集会。私自身も演題を2題発表しました。そのうち1題は、妊娠初期の胎児染色体異常スクリーニングに関するセッションでの「注目演題」、もう一題は、胎児の心臓の検査に関するものです。この学会はweb開催になっ…

胎児診断はいつ行われ、その結果はどう伝えられているのか - 『22週問題』について考える

先月から今月にかけて、出生前検査・診断に関連した話題を取り扱う複数の学会が、WEB開催されていて、日程も重なり、視聴するだけで忙しいという日々になっています。いろいろと気になる話題があるのですが、そのなかの一つを取り上げたいと思います。 12月1…

NIPT等の出生前検査に関する専門委員会(第2回)が開催されました。ー妊婦という隠れたマイノリティの存在について

表題の会議が、20日金曜日に開催されました。 このところ学会などもあっていろいろと忙しくなっており、リアルタイムで会議の様子を視聴することは叶わなかったのですが、資料が公開されていますので、ざっと目を通してみました。感じたことを整理しておきた…

非認定施設でのNIPTには注意が必要:これは一種の詐欺商売でしょう。

当院では、院内の連絡会を少し拡大して、一部院外の人たちにも参加していただき、毎週勉強会や症例検討会を行っています。そんな中、よくあるトリソミー以外の染色体数的異常がNIPTで検出されたケースについての考え方と、この検査の扱いが話題になりました…

当院の業務は診断だけではない。−− 診断の先にあるものを誰が担うのか。

『出生前診断』を行うという施設が増えてきました。一口に『出生前診断』と言っても、何がどの程度わかるのか、扱っている検査によってもいろいろと違いがあるのですが、一般の方々にはなかなかわかりづらいことと思います。 正確な表現を使うと、マスコミな…

PGT-M(着床前診断)に関する倫理審議会が開かれました。

表題の審議会(第2回)が、2020年11月1日(日曜日)に開催されました。 「PGT-Mに関する倫理審議会(第2部)」の開催についてWEB視聴およびアンケートのお願い※会議当日に使用する資料をご覧いただけます|公益社団法人 日本産科婦人科学会 上記リンクの中の…

業界内外にある分断の壁をどう切り崩すか

先日、日本における出生前診断・胎児診療の総本山と誰もが認める施設から、セカンドオピニオンの依頼がきました。当院は、そういう施設なんです。 産婦人科医でも、分野が同じ(周産期医療、妊婦診療を専門としている)人や、学会などに参加したり、論文を読…