FMC東京 院長室

                                                                  遺伝カウンセリングと胎児検査・診断に特化したクリニック『FMC東京クリニック』の院長が、出生前検査・診断と妊婦/胎児の診療に関する話題に関連して、日々思うことを綴ります。詳しい診療内容については、クリニックのホームページをご覧ください。

日本における妊娠中絶は、“チョイス”の結果なのか?

初めにお断りしておきますが、この記事は11月中旬に書いていたもので、途中でいろいろと忙しくなってしまい、仕上げられないまま月日が過ぎてしまいました。気づけばすでに年末。しかし、せっかく途中まで書いていたので、なんとか仕上げて公開しようと考え…

ポーランドにおける中絶禁止法に関連した妊婦死亡のニュース。決して対岸の火事ではない。

先日目にしたニュースです。妊娠中絶が厳しく制限されているポーランドで、医師が中絶を躊躇した結果、妊婦が死亡したことをきっかけに、中絶要件の厳格化に抗議するデモがワルシャワで勃発しました。 胎児が死ぬまで「医療行為を拒否された」。妊婦死亡で中…

胎児を観察する時期として、12週13週が大事だということを、多くの人は知らない。

ずっと待ち続けてきた正式に認定を受けてのNIPT実施の実現、厚生労働省には迅速に進めていただきたいと願っています。去る2021年10月27日に、第1回出生前検査認証制度等運営委員会が開催されたようです。果たして、どのような制度が決められるのでしょうか。…

「羊水検査で確定しないと中絶できません。」という方針、矛盾しているんじゃないですか?

出生前検査・診断の現場で、妊婦さんが直面する最も大きな問題は、『検査陽性』という結果を受け取った時に、妊娠を継続して出産を目指すのか、中絶を選択するのかの判断・選択でしょう。とくに、NIPTの場合、その結果は確定診断ではないけれど、検査精度は…

FMF胎児クリニック東京ベイ幕張の内覧会に行ってきました。

9月27日に開業した、「FMF胎児クリニック東京ベイ幕張」の開業直前に行われた内覧会に参加しました。内覧会とはいっても、密を避けるため1グループごとの予約制で、私と当院の山田医師の2名で伺いました。 院長の林伸彦医師は、まだ学生の頃から胎児の診断と…

なぜ決まったルートを外れると中絶を扱ってくれないのか。

このブログで何度も取り上げている、NIPTの問題。厚生労働省の専門家会議が今年3月に終了し、半年が経過したのですが、その後の動きはどうなっているのでしょうか。厚労省のホームページをみると、5月24日に報告書が公開されています。NIPTについて、どのよ…

妊娠初期の超音波検査は、もうNTを測るだけの時代ではない。

私たちは、あまりにも日常的に妊娠初期の胎児検査を続けてきているので、自分たちが毎日見ていることはあたりまえのような感覚になりつつありますが、受診された方やそのご家族が、超音波画像を見ながら、「こんなに見えるんですね。」とおっしゃることがよ…