FMC東京 院長室

FMC東京クリニック 院長のブログです

胎児ドックについて2(2016年7月31日)

「胎児ドック」というのは、どのような診療を指しているのでしょうか。多くは、超音波診断装置を使って、普段の妊婦健診のときよりも時間をかけて、胎児を詳しく見るというものを、こう呼んでいるようです。わが国の妊婦健診は、毎回超音波を使用している施設が多いという点で、諸外国と比べると独特なのですが、毎回超音波を使用していれば良く観察できているのかというと、必ずしもそういうわけではありません。逆に、いつも同じような場所を測ることしかしていないと、大事な胎児の病気を見落としていることがよくあります。このため、妊婦健診とは別に機会を設けて、胎児を頭から足の先まで詳しくみましょうというものが、胎児ドックといわれているものであろうと考えられます。このような検査を行うことは、諸外国ではむしろ普通のことで、妊娠中に何度か時期をきめてこのような検査ができる仕組みがあり、その分、普段の健診では超音波を見ないというような形になっていたりします。ところが日本では、個々の施設に超音波診断装置がいきわたっていることもあって、どの程度胎児を観察するかは、個々の施設のやり方に委ねられてきました。どの時期に胎児のどこをどのように観察するかは、それぞれの医師がどのような教育を受け、どのような自己学習をし、どのようにトレーニングしたかによって、大きく違います。そのため、普段の妊婦健診だけでは心配になる人が、詳しくみてもらえる機会を求めて、「胎児ドック」を受けたいと思い、これを実践している施設を探します。これに呼応するように、「胎児ドック」を行っていますということを前面に出すクリニックが増えつつあります。
では、この「胎児ドック」という名称で行われている検査には、何か決まったやり方・基準があるのでしょうか?残念ながらそうではないというのが現状なのです。