FMC東京 院長室

                                                                  遺伝カウンセリングと胎児検査・診断に特化したクリニック『FMC東京クリニック』の院長が、出生前検査・診断と妊婦/胎児の診療に関する話題に関連して、日々思うことを綴ります。詳しい診療内容については、クリニックのホームページをご覧ください。

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

今年一年を振り返って(後半) 二人の恩師の話

振り返ってみると今年前半は、何か活路を見出せないかという気持ちがそれでも強かったように思います。しかし、後半はもう本当に日々をこなすだけだったような感じがします。やはりコロナ感染の影響が大きかったですね。 リモートになった学会 例年なら秋に…

今年一年を振り返って(前半)

今年の当院の診療は本日が最終日です。 私はわりといつも淡々と日々を送っていて、節目節目に何か総括するとか、将来計画を立てるとかといった作業がどちらかと言えば苦手な方なのですが、今年はさすがに特別な年だったように思うので、来年に向けてここで振…

NIPTに関する議論の場で、出生前検査の全体像や実情が見えているのだろうか。

12月16日水曜日に、NIPT等の出生前検査に関する専門委員会(第3回)が開催されました。ZOOMによるライブ配信があったのですが、私自身は診療業務の合間に見る準備をしていたものの、実際に視聴することができたのは、会議最終盤のもうほとんど「これにて終了…

出生前診断をめぐる『ねじれ構造』 - 中絶と言いたくない産婦人科医と産婦人科医はすぐ中絶を勧めると思っている小児科医

日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会が協力して認定制度を管理している『臨床遺伝専門医』の認定試験が行われています。今年は、ロールプレイ面接がZOOMを用いたweb開催となりました。今後は、現実の遺伝カウンセリングでもこの形が定着していくの…

検査を行わないという選択。患者の希望は、医師の説明に左右され過ぎていないだろうか。

前記事でとり上げた日本超音波医学会第93回学術集会。私自身も演題を2題発表しました。そのうち1題は、妊娠初期の胎児染色体異常スクリーニングに関するセッションでの「注目演題」、もう一題は、胎児の心臓の検査に関するものです。この学会はweb開催になっ…

胎児診断はいつ行われ、その結果はどう伝えられているのか - 『22週問題』について考える

先月から今月にかけて、出生前検査・診断に関連した話題を取り扱う複数の学会が、WEB開催されていて、日程も重なり、視聴するだけで忙しいという日々になっています。いろいろと気になる話題があるのですが、そのなかの一つを取り上げたいと思います。 12月1…