FMC東京 院長室

                                                                  遺伝カウンセリングと胎児検査・診断に特化したクリニック『FMC東京クリニック』の院長が、出生前検査・診断と妊婦/胎児の診療に関する話題に関連して、日々思うことを綴ります。詳しい診療内容については、クリニックのホームページをご覧ください。

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

なんでも「安静」「安静」っていうの、もうやめてもらえませんかね。切迫流産で安静と言われても当院の診療は受けられます。

もうね、本当にやめてほしいです。 自宅安静を指示されたから、受診できません。予約キャンセルしますっていうのが、けっこう多いんですが、そんなことでキャンセルしなくても良いから来てくださいって言いたいです。でも、かかりつけ医からそう言われたら、…

実はかなりハードルが高い人工妊娠中絶(後編)

前回(実はかなりハードルが高い人工妊娠中絶(前編) - FMC東京 院長室)の続きです。以下の2つについて言及していきます。 3. 受け入れ施設のハードル 4. 社会的ハードル 3. 受け入れ施設のハードル 妊娠12週までの人工妊娠中絶を扱う施設は数多くあるので…

実はかなりハードルが高い人工妊娠中絶(前編)

当院には、胎児にいろいろな問題が見つかって、出産を目指すか中絶するかなど、かなり悩まなければならない方やそのご家族が、日常的に来院されています。 そういう方々の悩みに対応していて常々感じることは、人工妊娠中絶はただでさえ悩ましいことなのに、…

クアトロテストは、はっきり言って微妙な検査です。

どうも最近、クアトロテストを受ける人が増えているんじゃないかと思っていたのですが、やはりそのようなのです。で、なぜそうなっているのかについて考えてみますと、以下のような理由が考えられます。 ・NIPTが行われるようになって、これがニュースになっ…

羊水穿刺は怖いことと思われてませんか?

染色体について確定的な検査結果を得ることができる羊水穿刺、当院では連日行なっているわけですが、この検査をお受けになる方の多くが、検査前から検査中にかけて、かなり緊張しておられるように感じています。まあ胎児がいる場所に針を刺し入れるわけなの…

超音波検査「所見」と「診断」の違いについて

ちょっと硬い(というか難しい)話題が続いたので、ここらで身近な診療の話題を。 超音波検査とその検査結果の説明をしていて、いつも難しいなと感じるのは、超音波で確認した「所見」について、どう伝えればどう理解してもらえるのかということです。 何し…

当事者の声を反映させることの難しさ。カミングアウトのハードルを下げられると良いのだろうか。

以前に、出生前検査についての主に医療従事者側の意識に触れた際に、過去の仕事を回想した記事を書きました。 出生前検査を普及させない方が良いという声に、癌告知の過去を想う。 - FMC東京 院長室 病気や障害を抱えながら生きる人々と、治療やサポートの提…