FMC東京 院長室

                                                                  遺伝カウンセリングと胎児検査・診断に特化したクリニック『FMC東京クリニック』の院長が、出生前検査・診断と妊婦/胎児の診療に関する話題に関連して、日々思うことを綴ります。詳しい診療内容については、クリニックのホームページをご覧ください。

日本医学会認定施設の先生、冷たくあしらわないで。

前回、「次はへその緒の話をしようと思います。」と書いたのですが、前にこの記事を書いてあったのを発見しました。 drsushi.hatenablog.comこれ、昨年10月に書いたんですが、今も同じこと毎日のように言われます。へその緒が絡まるって、イメージしやすいん…

妊娠20週よりも前に前置胎盤の疑いがあると言われても、気にしないほうがいい。

このブログ、出生前検査について、多くの方に知ってもらいたいという気持ちではじめたので、その話題が多いのですが、どうやら一般的な妊婦の診察の話題を載せた方が、読んでいただけることが多いようなのです。そりゃそうか、関心を持つ人数が明らかのその…

優秀演題賞受賞 NTが厚いケースについての調査研究で

先日開催されました、第136回関東連合産科婦人科学会学術集会において、発表した演題『高度なNuchal translucencyの肥厚を呈したケースの転帰』が、多くの演題の中から周産期部門の優秀演題賞に選出されました。この学会は、日本産科婦人科学会の地方会の一…

尻拭いをしているのは、無認可施設だけではない。ー NIPT認可の問題点

これまで、このブログでは、NIPT(いわゆる、新型出生前診断)を認可外で行なっている施設の問題点について、言及してきました。 drsushi.hatenablog.com この記事の中で、私たちはそういった施設の尻拭いをしているという忸怩たる思いについて記載しました…

産科のお医者さんたち、自分の価値観を普遍的なものだと勘違いしていませんか

当院に相談に来られる妊婦さんたちは、普段は別の産科医療機関で妊婦健診を受けておられますので、本当に色々なお医者さんがおられるものだなあと思わせるエピソードを伺うことがあります。そんな中で最近気になった話をいくつかします。 ある40歳を過ぎた妊…

妊娠中絶について、きちんと議論すべき時が来ている。

このような記事を見つけました。 「妊娠中絶後進国」の日本女性に感じる哀れさ | 健康 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員を務めておられる、レジス・アルノー氏の記事です。まずはご一…

その診療方針、本当に熟考して決めましたか? 平気な顔で選択肢を奪っている自覚はありますか?

先日当院を受診された方から、ちょっと気になる話をききました。 この方は、妊娠したので受診した病院で、初診時の問診票に、胎児に障害があるかどうか心配なので、受けられる検査があれば受けたいと言ったような内容を記入しました。これを見た医師から、「…