FMC東京 院長室

                                                                  遺伝カウンセリングと胎児検査・診断に特化したクリニック『FMC東京クリニック』の院長が、出生前検査・診断と妊婦/胎児の診療に関する話題に関連して、日々思うことを綴ります。詳しい診療内容については、クリニックのホームページをご覧ください。

日本産科婦人科学会宛に、公開質問状を送付しました。【全文公開】

3月にいくつもの記事を連続して書かせていただいた、日本産科婦人科学会の「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関する指針(案)ですが、聞くところによると、倫理委員会および理事会を通過すると6月には(案)がとれて、会員に周知される形となるよ…

実際に出生前検査を専門的に扱っていてはじめてわかる、NIPTの今ある問題点と解決策

長い連休を経て、時代は平成から令和へとかわりました。この新しい時代に、日本の女性を取り巻く問題は大きく変わらなければならないと思います。今、様々な方面で、女性の権利やそれに関連する社会の問題の議論が表に出るようになってきましたが、私のもと…

9割が中絶という数字、どう捉えられているのだろうか

3月には連投していたこのブログ、その後日本産科婦人科学会の準備などもあって、放置状態になってしまっていました。本来であればこの学会の話題を記しておくべきなのでしょうが、いろいろと忙しくなってブログを更新する時間があまり取れず、、、気づけば今…

「中絶は早い方が良い」は本当か?

妊婦健診で、胎児に何らかの問題があると指摘されて当院に相談してこられる方の中で、以下のようなケースが散見されます。 ・胎児が小さい方が安全に中絶できるので、早くした方が良いと言われた。 ・中期中絶は危険なので、中絶するなら12週よりも前に何と…

胎児の染色体検査結果を得るのには、2〜3週間かかるというのは本当か

受診予約の問い合わせや、相談のメールをいただいたりする中で、以前から感じていたことの一つに、染色体検査を行うための羊水穿刺などが、あまり積極的に行われない傾向があることがあります。特に、「今から検査しても中絶には間に合わない」という説明や…

NIPT指針改定案の周知は十分か?

NIPTの改定案に対するパブリックコメントの募集。あと1週間で締め切られますが、その周知徹底は十分なのでしょうか。広い範囲からの意見が集められるでしょうか。 これに関して、甚だ疑問に感じさせられることがありました。 因みにパブコメの案内は以下↓ dr…

NIPT新指針で「基幹施設」となる現認定施設の態勢は十分なのか

NIPT新指針問題、発表当初のインパクトがなんとなく収まって、少し静かになっている感じがしていますが、毎日出生前検査・診断の現場で多くの妊婦さん達と向き合っている私たちは、毎日このことを意識しています。 この新指針案では、NIPT実施施設の幅を大き…