FMC東京 院長室

                                                                  遺伝カウンセリングと胎児検査・診断に特化したクリニック『FMC東京クリニック』の院長が、出生前検査・診断と妊婦/胎児の診療に関する話題に関連して、日々思うことを綴ります。詳しい診療内容については、クリニックのホームページをご覧ください。

当院の業務は診断だけではない。−− 診断の先にあるものを誰が担うのか。

『出生前診断』を行うという施設が増えてきました。一口に『出生前診断』と言っても、何がどの程度わかるのか、扱っている検査によってもいろいろと違いがあるのですが、一般の方々にはなかなかわかりづらいことと思います。 正確な表現を使うと、マスコミな…

PGT-M(着床前診断)に関する倫理審議会が開かれました。

表題の審議会(第2回)が、2020年11月1日(日曜日)に開催されました。 「PGT-Mに関する倫理審議会(第2部)」の開催についてWEB視聴およびアンケートのお願い※会議当日に使用する資料をご覧いただけます|公益社団法人 日本産科婦人科学会 上記リンクの中の…

業界内外にある分断の壁をどう切り崩すか

先日、日本における出生前診断・胎児診療の総本山と誰もが認める施設から、セカンドオピニオンの依頼がきました。当院は、そういう施設なんです。 産婦人科医でも、分野が同じ(周産期医療、妊婦診療を専門としている)人や、学会などに参加したり、論文を読…

NIPT等の出生前検査に関する専門委員会(第1回)が開催されました。

今週の水曜日(2020年10月28日)に、厚生労働省が、第1回NIPT等の出生前検査に関する専門委員会を開催しました。以下リンク NIPT等の出生前検査に関する専門委員会 この専門委員会は、厚労省の厚生科学審議会科学技術部会の下に設置されたもので、昨年10月か…

アメリカにおける胎児染色体異常スクリーニングの新ガイドラインとわが国の現状

ACOG(米国産科婦人科学会:正確には「学会」というより日本の「産婦人科医会」に近いか)とSMFM(米国の母体・胎児学会:よく米国周産期学会と訳されている)が共同で出している、『胎児染色体異常スクリーニングのガイドライン』が、更新されました。前回…

出生前診断に臨む際の適切な遺伝カウンセリングって、なんだろう。 - 某大学病院(学会認定NIPT実施施設)での遺伝カウンセリングの話を聞いて考えた。

以前から何度も問題にしていることですが、当院ではNIPTを扱うことができません。学会の指針に基づいた、実施施設としての認定が得られないからです。 産婦人科専門医かつ臨床遺伝専門医:2名 小児科医かつ臨床遺伝専門医:1名 認定遺伝カウンセラー:2名 日…

国際セーフ・アボーション・デー2020 Japan

9月28日は、国際セーフ・アボーション・デー。 安全な中絶(セーフ・アボーション)を選ぶ権利が保障されることを求め、世界中の女性たちが統一行動を起こす日。ということで、1日早い27日日曜日に、オンラインイベントが開催されました。 長年にわたり、日…